2004_08/22

8月の14日から18日までアメリカのソルトレイクシティで行われる、
アウトドアリテイラーショウ(orshow)に行ってきた。
毎年冬と夏の2回にわけて行われるこの大規模な展示会は、
世界各国からアウトドアに関するメーカーが集い、新商品の展示を行うもので、
僕は今回で二回目の参加。
今回はマッドロックのスポンサードクライマーという事で
マッドのエキビジターとして会場に出入りできた。

成田からロスまで10時間余り、そこから国内線に乗り換えて2時間でソルトレイクに着く。
ホテルについてチェックインを済ませると、休憩する間もなく会場へ向かう、
強烈な暑さと日ざしのなか、20分程歩くのだが 正直、日射病になるかと思った。

会場に着くとまずその大きさと熱気に圧倒される、
今回は3日間通ったのだが、ついに全てのブースを見る事はできなかった、
それぐらいでかい。
最初にマッドロックのブースに行き新商品の説明を受ける、
クライマーとして最もわくわくする瞬間だ。
マッドロックというメーカーは常に
先進性という面において大きな自信とポリシーを持ってるメーカーだ、
今回見たのは2005モデルだったのだがどれも素晴らしかった、
みなさん楽しみにしていてください。

この展示会、色々なメーカーの新商品をいち早く見る事ができるという楽しみ以外に
もう一つ大きな魅力がある、
それは各メーカーがスポンサードしている
日本ではなかなか会う事のできない有名クライマーにたくさん出会えるという事だ。
今回もクリスシャーマやベンムーン、ブーンスピードやデイブグラハムといった連中と会い、
話しをする事ができた。
しかしなによりも嬉しかったのは、 今回のオーストラリアでのクライミングをみんな知っていて、
賞賛してくれた事だった。あまりにみんなが知っているのが、
最初どうしてなのか解らなかったのだが、
クライミングマガジンを始め、ロックアンドアイス、イギリスのオンザエッジ、グリップトといった
著明な雑誌にツアーの事が記事になっているのを見て、どうしてなのか理解する事ができた。
また今日本のみならず海外でも売り出し中のビデオ、(THE WHEEL OF LIFE)を
僕のスポンサーであるフラッシュトのブースで流していたのだが、その事も大きかったようだ。
海外で大きく評価されている事をとても嬉しく思った。
今までは大きな成果を出してもあまり大きくとり扱われなかったりした事が多く、
それは自分は日本人だからなのではないか?という偏見があった、
しかし今回の事で正当な成果は正当に評価されるという事を改めて認識する事ができた。

今回はクライミング無しの、(1時間だけジムで登ったが)とんぼ帰りとシビアなビジネスの話題で、
非常に疲れたが、様々な面で大きな収穫を得たような気がする。






2004_03/09

今日は小川山に行ってきた。
最近室井氏によって多くの高難度 課題ができている事に興味があったのと、
垂直以下の5段というのはどういうものなのか、見てみたかったからだ。
冬の小川山に行くのは今回が初めてで、しかも先週は天気が悪かったようなので今回は
ほんの偵察程度にする予定だった。
朝いつもよりゆっくり出発し、川上村についたのは12時を過ぎていた。
予想していた通り、金峰山荘下にある蕎麦屋からの坂道は厚い雪に覆われていて、
車は入れず徒 歩でボルダーまで向かった。
岩場は当然の事ながら私達だけで、夏場の喧騒がうその ようだった。
雪に覆われた岩峰郡は幻想的な程美しい。
しかしボルダーの方は、ランディングがすっかり氷りに覆われていて、トライできそうもなかった。
しかしせっかく来たのだからと、ロクスノ最新号に発表されていた、
室井氏設定の(闇の絵巻)5段を見に行った。
(冬の日)の左にあるクラックからスタートし、左上後、左にある2級に合流していくこの課題は、
かろうじて取り付きに雪がなく、この課題のみトライできそうだった。
ホールドを見てみると思っていたよりもはるかに良くて、簡単に見えた。
しかし5段である、どこかがとてつもなく難しいのだろう、
と思いつつアップもなしにムーブを少しやってみると、すぐに全てのムーブを解決する事ができた。
もしかしたら、今日中に登れるかもしれないと思い、その後数回トライしてみたところ、
7回目のトライで登れてしまった。
あまりのあっけなさに嬉しさよりも、登った時は笑ってしまったのだが、
真剣に考えるとあまり笑い事ではないような気がしてきた。
自分にとって最も苦手なタイプであるこの課題を非常に少ない回数で登れた事実は、
『5段』というグレードが疑わしいという事を示している。
実際に体感的には2段〜3段位だった。
室井氏がどういう感覚で5段というグレードをつけたのか、非常に疑問を感じた。
5段、V15というグレードは現在のクライミング界において、まだ大きな影響力を持っていると思う、
このグレードをつけるにあたっては、もっと慎重に責任を持ってグレーディングするべきではないだろうか。
確かに初登というものはグ レードをつけるのが非常に難しい、
過去自分も初登時につけたグレードが再登後変わったものもあった、
しかしワングレード上下ならともかく5グレードも変わってしまうのはいかがなものか?  
色々と考えさせられた1日だった。

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↓2004年3月9日に小川山で第2登した、(闇の絵巻)5段?











2004_02/08

外は曇っているが、今までで一番気温は高いようだ。
今日なら手がかじかむ事がなく登れるかもしれない。
朝食をすまし10時に出発、通い慣れた道を飛ばして11時前には岩場に着いた。
空を見ると、ところどころに青空が覗いている、今日ならいけるかもしれない、
はやる気持ちをおさえボルダーへ向かう。
ホールドをいつ ものようにチェックしてみると、わずかに気温が高いせいかいつもより止まる気がした。
これよりも気温が低いと皮が岩をはじいてしまい、逆に高すぎると今度は汗で滑ってしまう。
コンデションが変わらないうちにと、急いでアップを済ませて最初のトライ。
少し動きが堅いかなと思いつつも、あっと言う間にいつも落ちているポイントまで来た、
気合いを入れなおしムーブに入る、
指先の感覚はかろうじて残っていて、右手のトリッキーなスローパーどう持っているのか認識できた、
良く持てている事を確認して、左手の甘いエッジにランジする、
このエッジは右端がほんの少し膨らんでいて、そこに3本指を重ねると効きがいい、
うまくきめてから最後の時間差ランジに入る、
左手が止まったと思った瞬間右手をクロス気味に出していかなければならない、
そしてこの時右手は止まってくれた。
ガバでレストして最後の5級のフェースを慎重にこなしてマントリング。
終わった。
いつもは苦労して登っても登れてしまうと、ものたりなさを感じたりするのだが、
この時は本当に嬉しかった。
自分にとって課題を岩場に作るという行為は、
現在の自分が持っているエネルギーや思想を岩という物に記憶させる事だと思っている。
その岩が崩れて無くならない限り、半永久的に、
自分は岩というものを通して生きていられるのだと思う。
アクションディレクトをトライして感じたように、
ギュリッヒは死んでなお、現在のクライマーに忘れ去られる事がなく、影響を与え続けている。
いつかは自分もそういう存在になりたい、
そういう課題を残したいという願いを込めて、
今回のこの課題には(メトセラゼーション)という名前を与えた。
グレードは5段+14D/15Aとした。

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2004年2月8日に鹿児島金峰山で登った(メトセラゼーション)五段+14d/15a。


2004年2月8日に鹿児島金峰山で登った(メトセラゼーション)五段+14d/15a。


2004年2月8日に鹿児島金峰山で登った(メトセラゼーション)五段+14d/15a。


2004年2月8日に鹿児島金峰山で登った(メトセラゼーション)五段+14d/15a。


2004年2月8日に鹿児島金峰山で登った(メトセラゼーション)五段+14d/15a。


2004年2月8日に鹿児島金峰山で登った(メトセラゼーション)五段+14d/15a。




22004_02/07

今日も登るはずだったのだが、気分転換にレストすることにした。
ぱせりちゃんと共に夕方まで寝ていた。




2004_02/06

寒い!とっても寒い!
しかし少し寒さに慣れたのか昨日程しんどく感じない。
壁は相変わらず雪のせいで、終了点付近は濡れているのだが、
この部分は5級程である、繋げてこれたら大丈夫だろう。
アップをすませ、一回目のトライ。
妙に体が 良く動く、最初の3段のパートをスムーズにこなし後半に突入して行く、
あっと言う間にいつも落ちている部分までたどりついいた、自信を持って飛ぶ、止まった!!
ガバを持ち直しレストして最後の濡れた5級の垂壁に向かう、
ガバからランジぎみに大 きなエッジ持ち、体を上げようとした瞬間、
なんの抵抗もなく地面に立っていた、
手がスリップして落ちたことに気がつくのに数秒かかっていた、
手を見るとびっしょり濡れていた、
寒さで感覚がなかったため、
自分の手のひらがびっしょりになっていた事に気がついていなかったようだった。
しばらくのあいだショックでうごけなかったのだが、
再度気を取り直して、トライしてみたがやはりダメだった。




2004_02/05

ここは本当に南国か?と思う程の寒さで目が覚めた。
外を見ると小雪が舞っている。
むむむどうしたものかとニュースを見ると巨大な寒気団が九州を覆っている との事。
これから先しばらく続く予定、というのを聞き気絶しそうになった。
しかし1日といえども無駄にはできない、
決死の覚悟ででかけることにした。
岩場に着くと雪は小雨に変わっていたのだが、猛烈に寒い!
風も半端じゃなくすごい、恐らく体感 温度は軽く0°を下回っていただろう。
これが5、6手の短い課題ならベストコンデションと言えるのだろうが、
テキは20手以上のほぼルートともいえる長さがあるの である、
10手と進まない内に手の感覚がなくなり、デリケートなホールドは持てなくなってしまう。
駄目もとでトライしたがやはりダメでムーブの練習のみで精一杯だっ た。
それにしても天気が悪い日の山の中は暗くて1人は恐ろしい。
帰りは車まで、雪の降る中、山道を走って帰ってきたのだった。




2004_02/04

帰ってきたよ鹿児島に。
今回は今日から12日まで、以前登れなかったプロジェクトをやっつけるべく1人でやったきた。
前回のツアーが大人数だったので少し寂しいが、まあ慣れるだろう。
この日は明日に備えて早めにおやすみした。
猫のぱせりちゃんがふとんの中にいて暖かかった。




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