ネハンナ

V14〜V15 下呂 初登

昨日、下呂でトライを重ねていたプロジェクトを完成させる事が出来た。
このプロジェクトは去年6月の偵察で見出したラインで、過去にトライしたクライマーもいたようだが完成してはいなかった。
とにかく凄いラインでホールドは繋がってはいるもののあまりにも悪く、登れたら凄いなという感じしかなかった。

その後、入院や九州ツアー等が重なり、なかなかトライする機会が無かった。
そして、ホライゾンの完成や九州のシーズンが終わった事もあり、このラインを思い出した。

今年の5月に入った頃に再度偵察したところ、僅かだが可能性を感じた。
そして、笠置山のシーズンが終わったのを皮切りに下呂通いを開始した。

トライ初日になんとか全ムーブを細切れで解決したものの、相当な時間が掛かるだろうと見込んだ。
その予感は的中し、何日間かは進展のない日が続いた。
しかし4日目に核心部に画期的なシークエンスを発見、一気に完成に近づいた。
6月2日には繋がっていなかった核心部7手のリンクに成功、その日はスタート付近を重点的に練習し終了。

1日レストして4日、この日2回目のトライで自分でも驚く程あっさり登る事が出来た。
とにかくムーブの解析に時間が掛かった課題だった。

トライしている間、このグレードのレベルでこれほどコンディションとホールドが安定していたプロジェクトは今まで無かったかもしれない。
そういった面でストレス無くトライ出来た。
良い課題の条件の一つに岩質は大きな割合を占めると思うが、この課題の岩質は素晴らしい。
過去に初登した鳳来や塩原の課題が、岩質的に仕方ないとは言え、オリジナルの状態を保っている課題が無い事はやはり寂しい。

今回完成したこの課題は、ほぼ100%オリジナルのまま後世に残していく事が出来るのではないかと思う。
ライン、スケール感、岩質と日本離れした本当に素晴らしい作品を初登する事が出来て心から嬉しい。
グレードは良く解からないがV14~15のどこかではないかと思う。

課題名は「ネハンナ」

最後に、この岩場の開拓者の方々、ローカルの皆様に感謝します。